ベテランと新人の二人三脚。
心を結び、踏み出す一歩

Profile奈良 京子Kyoko Nara

1989年に保育士としてのキャリアをスタートする。幼稚園で6年間勤務し、結婚のため退職。その後自身の子育てが一段落した後、小規模保育園の保育士として10年間勤める。2015年4月にアイグランに入社し、「あい保育園昭和町」での勤務を始める。

Profile小池 優奈Yuna Koike

2015年に短大の保育科を卒業。同年4月よりアイグランに入社。保育士になるという幼い頃からの夢を叶える。「あい保育園昭和町」で保育士としての一歩を踏み出した。

「大ベテラン!」と「娘みたい」。絆づくりが保育のはじまり。

Q. ベテラン保育士の奈良先生と、新入社員の小池先生。
今年から、年長の「さくら」と年中の「ゆり」の合同クラスを二人で担当しています。
お互いの第一印象はいかがでしたか。

奈良しっかりした若者だなという部分と、新人らしい粗削りな部分と両方ありましたね。かく言う私もクラス担任になるのは久しぶりで、内心ではプレッシャーを感じていたんです。でも、傍らにいる小池先生は、少なからず私を手本にするわけだから、先輩保育士としての背中を見せようと気持ちを引き締めました。

小池第一印象は、安心感と緊張感が半々くらいでしょうか。奈良先生は、大ベテランの保育士ですから、本当に頼りになる存在でした。一方で、やっぱり緊張しましたね……私が緊張していること、奈良先生は気づいて接してくださっていたと思います。

奈良それは、ね。小池先生は私の娘と一歳しか違わないので、私にとっては娘が隣にいるイメージなんですよ。だからまずは、年の差を埋めないとと、生い立ちや趣味の話などいろんな話をしながら、互いに人となりを知って関係を深めていきました。子どもたちがのびのびと自分を出せるような雰囲気をつくるには、保育士同士が心を結んで、信頼し合っていることが何より大切だと思っていますから。

  • あい保育園昭和町 奈良京子
  • あい保育園昭和町 奈良京子×小池優奈
  • あい保育園昭和町 小池優奈

温かい雰囲気の中にある、明確な決まりごと

Q. 実際の保育の現場では、お二人はどのように協力し合っているんでしょうか?

小池最初に奈良先生に教えてもらったのは、褒めたり注意したりするポイントは必ず二人で揃えようということでしたね。保育の中に、共通認識を持とうと。

奈良保育園は滞在時間が長い分、優しく家庭的な雰囲気をつくるのが基本で、子どもにストレスを与えないことがとても大事なんです。しかし育児という面では、子どもがケガをする恐れのある危険な行動をとったとき、人を傷つけるような言葉を発したとき、みんなで決めたルールが守れなかったときには、きちんと注意をしなくてはいけません。そういう現場を見つけたら、すぐに注意すると同時に、互いに共有することを徹底しました。

小池たとえば、前にこんなことがありました。子どもたちがトイレのスリッパを揃える習慣がなかなか身につかなくて……何度言っても揃えないものだから、子どもたちと約束しましたよね。

奈良そうだったね。子どもたちに「次の人がすぐに履けなくてもいいの?自分だけ履けたらそれでいいの?」と聞けば「そうだね。次の人が履きやすいように揃えて脱がないとダメだよね」とちゃんと分かっているんです。でも「散らかすならスリッパはもういらないね?じゃあ約束を守れなかったらどうするの?」と聞くと、「それは困るけど……そうなったら、荷物を持って年下の子のクラスにいく」と言っていました。つまり、トイレのスリッパがなければ困るけれど、約束をやぶったら自ら下のクラスに行くと覚悟を決めたようです。

小池私はその現場にいなかったんですが、奈良先生から後で「子どもたちとそういう約束をしたから」と聞いていました。するとその2日後に、またもスリッパが散乱していて……。「自分たちで決めたことだけど、もうスリッパいらないの?下のクラスに行く?」と私が話をしたんです。子どもたちはそれを見て、目をまん丸にして、これはまずい!と。それ以降、ビシっと揃えるようになりました。

奈良これは一つの例ですけど、こういった細かいことを一つひとつ共有して、互いの保育におけるルールを明確にしていく。子どもたちにも口で言うだけではなく、体感を通して納得してもらう。素直な子どもたちと一緒に正しい生活やルールを実行していけるようになります。

  • あい保育園昭和町 小池優奈
  • あい保育園昭和町 ごあいさつ
  • あい保育園昭和町 奈良京子

顔に出したら、負けやで

Q. まさに連携プレーの保育で、子どもたちが成長していくんですね。
さて、小池先生ご自身も、まだ保育士として一年目。最初は慣れない中で大変だったことでしょう。奈良先生から見て、小池先生の成長を実感したのはどんなときでしたか?

奈良保育士の仕事はクラスで子どもと関わるだけではなくて、園全体の業務も担当します。当然慣れないうちは、クラス運営だけでも一杯一杯だから、大変だと思いますが、小池先生は最初、疲労感や元気のなさが表情に出てしまっていました。そうだったよね?

小池はい。そんなときに奈良先生から「顔に出したら、負けやで」と一言。はっとしました。子どもはよく見ていますから、強く反省したんです。今は、何があっても保育士として自覚を持って、少なくとも子どもたちの前に立つときは、気持ちを整理して切り替えています。

奈良今ではいつも元気で笑顔。小池先生の強みだね。もう一つ忘れられないのは、秋の運動会かな。色々な準備に迫られる中で、悪戦苦闘する小池先生。「手伝おうか」と声を掛けたんですが、「大丈夫です。もう少し頑張ってみます。」と最後まで自分でやりきろうと頑張っていました。

小池大変なときは遠慮なく助けを求めたらいいと先輩の先生方から言われていましたし、自分でも頭ではわかっていました。でもあのときは、園長先生からも「きちんとやり遂げるように」と責任を与えていただいていたので、その自分に与えられた仕事を簡単に先輩に頼めなくて。自分の責任でやらなきゃいけない仕事だ、という思いが強かったんです。

奈良こちらも、助けたいのをぐっとこらえてギリギリまで見守っていました。そこからさらに成長を感じたのは、11月末の保育研究。最近のことです。これは保育の様子を他の先生や保護者の皆さんが見学にいらっしゃる機会なのですが、企画から、内容を詰めて当日実施するところまで、すべて小池先生が主体的に進めました。私は逆に、「ここはこうしてください」と小池先生に言われて補助する立場になって。

小池もちろん、奈良先生に指示することに抵抗はありましたが、うまく保育するために、そうは言っていられません。リーダーとしての役割と、子どもたちのことを第一に考えて良い保育ができるように実行したつもりです。

奈良園長先生がそんな小池先生の姿を見て、「頑張ったね、成長した」と喜んでいましたね。あの瞬間は、私もじんとくるものがありました。

人を育てながら、自分も育つ。

Q. 最後に、保育士としての今後の目標を教えてください。

小池実際に保育士になって、この仕事は子どもが好きなだけで務まるものではないとわかりました。想像以上にさまざまなことに気を配りながら、人に接する必要があるのだと。簡単なことではありません。でも、だからこそ勉強になり、やりがいを感じます。今はまだ、先輩の先生の見様見真似でやっていますが、いずれは応用力をつけて自分で考えて保育できるような段階まで成長し、その上で子どもがわくわくするような、楽しくて仕方がないと思えるような保育を提供していきたいなと思っています。

奈良小池先生、すてきな姿勢だね。私は、いつも子どもの気持ちに寄り添い、子どもの目線で保育できるような保育士でありたいと思っています。そして小池先生にも是非そんな、人間的に温かい保育士に成長していってほしいですね。あとは「保育力」。子どもたちの気持ちをうまく乗せて、活動しやすい雰囲気に持っていく力には、ゴールはありません。日々、磨いていきたいですね。

本日はありがとうございました。